AWSの見積もりツールや方法は?見積もり前に行うべきことや料金を抑えるポイントを解説
AWS(Amazon Web Services)の料金は従量課金制で発生するので、明確な月額料金として固定されていません。
そのためこれからAWSを利用する方や利用して間もない方の中には、あらかじめ発生する月額料金を知っておきたいという方がいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、AWSの料金の見積もりに便利なツールや見積もり方法・やり方をご紹介します。
記事終盤では、AWSの料金の見積もりを行う前にすべきことや、料金を抑える方法もお伝えするので、見積もりを行った上で料金が高いと感じた方はぜひ参考にしてください。
目次
AWSの料金は見積もりすべき?
AWS(Amazon Web Services)の料金は、従量課金制です。そのためAWSの導入時だけではなく、定期的に利用料の見積もりを行うと、どれくらいの料金がかかるのか把握できるでしょう。
特にこれからAWSを利用する場合や利用しはじめて間もない場合は、料金を把握しなければ予想以上に料金がかかってしまうケースがあります。
また定期的に見積もることで、無駄なコストがかかっていないのかも確認が可能です。変動するAWSの料金を把握して予算を照らし合わせるために、AWSの見積もりは大切といえるでしょう。
AWSの見積もりで役立つツール2選
あらかじめAWSの料金を把握しておくには、見積もりツールの活用がおすすめです。見積もりツールを活用すれば、外部に依頼せずに自社で完結します。
ここでは、AWSの見積もりに役立つツールを2つご紹介します。
AWS Pricing Calculator
AWS Pricing Calculatorは、AWSが提供している見積もりツールです。
AWSの公式見積もりツールということもあり、サービス構成の見積もり料金を明確に表示します。アーキテクチャコストを分析するために、サービス別やサービスグループ別の見積もり料金も確認が可能です。
また見積もり結果は、各見積りへのリンクを保存して共有・再確認できます。見積りは AWS パブリックサーバーに保存されます。CSVまたはPDF形式でエクスポートすることも可能です。見積書を作成するときにも便利です。
AWS Pricing Calculatorは、主に3つのコンソールページで構成されています。
参考:AWS Pricing Calculatorとは-開始方法
サービスページ
見積もりを作成する際、AWS Pricing Calculatorの「サービス追加」ページに進みます。このページには、AWSが提供するさまざまなサービスのための料金計算ツールが一覧で表示されています。
各サービスには専用の計算ツールがあり、場合によっては複数のサービスの料金を一つのツールで計算できるものもあります。サービスを探すには、検索メニューにサービス名やキーワードを入力します。
また、各サービスの詳細情報を知りたい場合は、「製品ページ」のリンクにアクセスすると閲覧が可能です。
計算ツール構成ページ
サービスの料金を計算するためには、計算ツール構成ページで必要な詳細情報を入力します。ここには、使用するサービスのユースケースに関する説明、計算に使いたいAWSの地域の選択、その他の必要な情報が含まれます。
情報を入力したら、見積もり結果を確認して、計算の詳細をチェックします。最後に、ページ下部にある「見積りに追加」ボタンをクリックすることで、作成した見積もりを「見積り」ページへの追加が可能です。
見積りページ
見積りの概要セクションでは、作成した見積りを前払い費用・月額費用・12か月間の合計費用の3つのカテゴリーで表示します。
12か月間の合計費用は、すべての見積りやグループの総額で、前払い費用と月額費用の合計を意味します。前払い費用はサービス開始時に一括で支払う費用の見積もり、月額費用は毎月発生する費用の見積もりです。
グループおよび見積りセクションでは、選んだサービスの計算ツールリストを見たり、新しいサービスを追加したりすることが可能です。また。検索バーを使ってすでに見積もったサービスを探すこともできます。
このページからは見積りをCSVやPDFファイルでダウンロードできるほか、見積りのリンクを共有したり、AWSコンソールにアクセスしてサインインやアカウント作成を行ったりすることも可能です。
ざっくりAWS
ざっくりAWSは、AWSが提供している見積もりツールを参考によりシンプルに設計された見積もりツールです。AWS公式の見積もりツールではないので、把握しておきましょう。
ざっくりAWSでは、以下のサービスから選んで見積もり料金を算出できます。
- Fargate
- Lambda
- S3
- ELB
- VPC
- Route53
- CloudFront
- RDS
- Aurora
- DynamoDB
- ElastiCache
- CloudWatch
- API Gateway
- SNS
- SQS
- SES
- Cognito
ツール名の通りAWSの料金をざっくり見積もるものなので、先ほどご紹介したAWS Pricing Calculatorのような明確な料金提示には不向きです。
ただし、ざっくりAWSはシンプルな操作で日本円で見積もりができます。簡単な操作で大まかな料金を知れたら良いという方におすすめです。
AWS Pricing Calculatorで見積もる時の入力項目
ここでは、AWS Pricing Calculatorを利用するときに情報を入力する主な項目をご紹介します。
参考:Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2) 見積りの生成
Amazon EC2インスタンス仕様について
はじめに、テナンシーやOS、インスタンスタイプ、EC2インスタンスの数などを設定します。
テナンシーのデフォルト値は、Shared Instancesです。AWS Pricing Calculatorは、選択した OSに合ったAmazonマシンイメージ(AMI)を使用して、見積りを作成します。ニーズに最も合致したOSを選択します。
AWS Pricing Calculatorは、使用可能なインスタンスタイプをすべてリスト化しています。検索バーではインスタンスをフィルターすることが可能なので、希望のインスタンスファミリーまたはインスタンスサイズがわかっている場合、インスタンス名を検索するとよいでしょう。
料金オプションについて
AWS Pricing Calculatorを使うと、AWSのサービス費用の見積りを作成する際に、いくつかの料金設定を選択できます。これらの設定は、どのような料金モデルでサービスを利用するかを決めるためのものです。
料金モデルでは、従量制で支払うインスタンスか、あらかじめ割引価格で予約するインスタンスかを選びます。予約するとは、使う予定のインスタンスについて、使用料をあらかじめ決めた期間(1年または3年)で割引を受けることです。
予約条件では、リザーブドインスタンスの契約期間を選択します。デフォルトは1年で、これが最もコストを抑える選択肢として提示されます。
支払いオプションでは、リザーブドインスタンスの支払い方法を選びます。全額前払い、一部前払い、または全く前払いしない(月払いのみ)の中から選ぶことが可能です。全額前払いが最大の割引を提供し、他のオプションは支払いを分散させることができます。
EC2インスタンスの予想使用量では、オンデマンド料金モデルを選んだ場合に、どのくらいの使用量を見込んでいるかを入力します。
スポットオプションでは、インスタンスの過去の平均割引率が表示され、見積り作成時に使用する割引率を自分で入力することが可能です。
Amazon EBSについて
AWS Pricing Calculatorで見積もりを作成する際、Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)に関する設定を行います。Amazon EBSは、Amazon EC2インスタンスに接続できるストレージサービスで、インスタンスのバックアップやブートボリュームの作成、データベースの実行などに使用します。
ストレージボリュームでは、EBSが提供するストレージの種類を選びます。各種類は、特定の用途に適した機能や速度、コストが異なります。たとえば、高速なI/Oが必要な場合やコストを抑えたい場合など、用途に応じて最適なタイプの選択が可能です。
ストレージ量は、EBSボリュームの容量を指します。デフォルト設定は30GBですが、EC2インスタンスにEBSボリュームを接続しない場合は0GBを入力することも可能です。これらの設定により、必要なストレージの種類と量を定義し、見積もりをより正確に行えます。
AWSの見積もり方法・やり方
ここでは、AWSの見積もり方法を先ほどご紹介したツール別に解説します。
AWS Pricing Calculatorを利用する場合
AWS Pricing Calculatorの使い方は、以下の通りです。
- AWSの公式ウェブサイトにアクセスする
- 検索バーに「AWS Pricing Calculator」と入力する
- AWS Pricing Calculatorのページに移動する
- サービスやリソースを選択する
- サービスごとに必要な設定を行う
- 必要なリソースや設定が完了したら計算ボタンをクリックする
見積もり結果では、月額料金や利用料の詳細な情報が表示されます。必要に応じて、設定や選択肢を変更して再計算も可能です。
ざっくりAWSを利用する場合
ざっくりAWSの使い方は、以下の通りです。
- ざっくりAWSにアクセスする
- サービスやリソースを選択する
- サービスごとに必要な設定を行う
サービスを選択して細かい数値を入力するたびに、右上に表示されている合計月額料金が加算されます。そのため。計算ボタンなどをクリックせずにサービスを選びながら料金の変動を確認できます。
また料金内訳を見ることができ、どのサービスに料金がかかっているのか一目で確認が可能です。
AWSの見積もりを行う前にすべきこと
これからAWSを利用する場合は、事前に契約内容を確定してから見積もりを行いましょう。
より明確な見積もり料金を算出するには、明確な契約内容に沿ってサービスやリソースを選択することが大切です。どのようなサービスを利用するのか、サーバー台数はいくらなのか、など具体的な数値まで決めておくとより明確な見積もり料金が知れるでしょう。
また予算を明確しておくと、予算内におさまっているか確認しながら見積もりを行えます。AWSを導入する前に予算をオーバーするか確認できるので、導入を決断する際の参考にできるでしょう。
AWSの料金を抑える8つの例
AWSの料金の見積もりを行った結果、どうしても予算オーバーしてしまう場合には、AWSの料金を抑えるポイントを押さえましょう。
ここでは、AWSの料金を抑えるポイントを8つご紹介します。
利用していないリソースを削除または終了する
不要なリソースを削除したり停止したりすることで、無駄なコストを削減できます。リソースの量が減れば、管理に関する負担の軽減にもつながるでしょう。
AWSを長期間利用している企業の中には、削除されていないリソースがそのまま放置されているケースがあります。無駄な料金を支払い続けていないか、今一度確認すると良いでしょう。
S3 Intelligent-Tieringを有効にする
S3 Intelligent-Tieringは、アクセスパターンを監視して得られたデータを、2つのアクセス階層間で移動させるサービスです。
Amazon S3は、適切なライフサイクルポリシーを設定するとコストを削減できる可能性があります。一方で、ライフサイクルポリシーを設定していないと、省けるコストまで余分に支払っている可能性があるでしょう。
S3 Intelligent-Tieringを有効にすることで、Amazon S3のストレージコストを自動的に最適化できます。Amazon S3標準ストレージクラスの利用者向けであり、ライフサイクルポリシーを設定していない場合や、設定が難しい場合におすすめです。
サービスのスペックを下げる
AWSのさまざまなサービスを利用している方で、スペックを必要以上に高く設定していると、無駄な費用を支払っている恐れがあります。そのため、今すぐにできるコスト削減方法は、サービスのスペックを下げることです。
無駄なサービス自体を終了するのではなく、サービスごとのスペックも確認することが大切です。
Amazon DynamoDBにオンデマンドのキャパシティーモードを利用する
Amazon DynamoDBの利用者で、DynamoDBのキャパシティーモードをプロビジョンドに設定している方がいるのではないでしょうか。その場合、リクエストの有無に関わらず予定していたキャパシティに対して料金が発生するので、余分なコストがかかっている恐れがあります。
DynamoDBのキャパシティーモードをプロビジョンドに設定している場合は、キャパシティーモードをオンデマンドに変更しましょう。すると使用した分だけ料金が発生するので、コストを削減できる可能性があります。
ただし、実際の読み取りと書き込みの数によってコスト削減額が異なります。
EC2スポットインスタンスを利用する
EC2スポットインスタンスは、利用されていないインスタンスの一部を低コストで利用できるオプションです。AWSの余剰リソースを活用してデータを管理でき、テスト環境を設けたいときにおすすめです。
ただし、AWSの余剰リソースがあって利用できるものなので、リソースの量によっては使いたいときに使えないという事態が起こる恐れがあります。
Savings Plansを利用する
Savings Plansは、Amazon EC2、AWS Lambda、AWS Fargate、Amazon SageMakerを1年または3年間で特定の使用量を契約する代わりに、低コストで利用できるプランを指します。
オンデマンド料金より安い料金で利用でき、コスト削減につながる可能性があります。
ただし、Savings Plansの契約後のキャンセルはできません。支払い方法は、全額前払い・一部前払い・前払いなしの3種類から選べます。前払いの金額が高いほど、割引額が高くなります。
Reserved Instancesを利用する
リザーブドインスタンスは、Amazon EC2、Amazon RDS、Amazon OpenSearch Service、Amazon DynamoDB、Amazon ElastiCache、Amazon Redshiftを1年契約または3年契約で利用する代わりに、オンデマンド料金よりも大幅な割引を受けられる料金モデルです。
オンデマンド料金を継続して支払っている場合、リザーブドインスタンスの利用でコストを削減できる可能性があります。
ただし、契約後のキャンセルはできないので注意しましょう。全額前払い・一部前払い・前払いなしの3種類の支払い方法から選べます。前払いの金額が高いほど、割引額が高くなります。
請求代行サービスを活用する
請求代行サービスを提供しているAWSパートナーによって、AWS利用料金を割引価格で利用できるケースがあります。
AWSパートナーでは複数の企業のAWS料金を一括で支払っているので、ボリュームディスカウントを受けられることにより、企業に還元できる可能性があるでしょう。
AWSに詳しい人材が在籍しているので、不要なリソースがないか、コストを削減できる箇所がないか確認してもらうことも可能です。結果的に、コストの最適化につながります。
Savings PlansとReserved Instancesの違い
AWSの料金を抑えたい方は、Savings PlansとReserved Instancesの違いを理解しておきましょう。
ここでは、Savings PlansとReserved Instancesの違いについて詳しく解説します。
Savings Plans
Savings Plansは、1年または3年間契約する代わりに低コストで利用できるものです。
一定期間の1時間あたりの利用料を決めて契約し、決められた料金まで割引が適用された費用で利用できます。
またSavings Plansには、2つのプランがあります。
Compute Savings Plans
Compute Savings Plansは、オンデマンド料金からの平均割引率が1年契約の場合約30%、3年契約の場合約50%で利用できます。
リージョンやインスタンスファミリーの制約がなく、フレキシブルな選択肢があります。Auto ScalingやSpot Instancesとの組み合わせも可能です。
自由度が高いプランであり、長期的に低コストでAWSを利用したい方におすすめです。
EC2 Instance Savings Plans
EC2 Instance Savings Plansは、オンデマンド料金からの平均割引率が1年契約の場合約40%、3年契約の場合約60%となります。先ほどご紹介したCompute Savings Plansよりも、割引率が高いです。
利用量や時間に制約されず、インスタンスファミリーやサイズの選択肢がたくさんあります。予約したインスタンスは、Auto Scalingグループと組み合わせて使用できます。
予約したインスタンスのコミットメント期間中に利用量が変動する場合でも割引率が適用されるため、最適な利用プランを計画する際にも便利です。
Reserved Instances
Reserved Instancesは、Savings Plansと同じく1年または3年間の契約をする代わりに、割引適用費用でAWSサービスを利用できるものです。
Reserved Instancesには、2つのプランがあります。
スタンダードReserved Instances
スタンダードReserved Instancesは、オンデマンド料金からの平均割引率が1年契約の場合40%、3年契約の場合60%となります。
予約したインスタンスは、予約したリージョンとインスタンスタイプでのみ利用が可能です。特に安定したリソース利用が見込まれる場合や、将来の需要変動に対する柔軟性が必要ない場合におすすめです。
ただし、予約期間中にリソースを十分に活用することが重要であり、予約したリソースが使用されない場合でも料金が発生することを理解しておく必要があります。
スタンダードReserved Instancesは、割引率が比較的大きい点が特徴です。一部の設定変更は可能ですが、サーバースペックを増やすと割引の適用外になってしまいます。そのため、インスタンスタイプを変更できないと認識しておくと良いでしょう。
コンバーティブルReserved Instances
コンバーティブルReserved Instancesは、オンデマンド料金からの平均割引率が1年契約の場合31%、3年契約の場合54%となります。
コンバーティブルReserved Instancesは、柔軟性が高いプランであり需要の変動やアプリケーションの成長に合わせてリソースを最適化できます。ただし変換には一定の条件があり、変換後のインスタンスの価格や利用可能性が異なる場合があるでしょう。
また需要予測が困難な場合や、将来の成長に備えた柔軟性を求める場合におすすめです。ただし最適な予約プランを計画するためには、ニーズと予算に基づいて慎重に考慮することが大切です。
コンバーティブルReserved Instancesは、割引率が比較的小さいです。しかしサーバースペックを増やすことができ、インスタンスタイプを変更できます。
ただし、設定の変更に限度があるため、高スペックになることで差額の支払いが発生するケースがあります。コストを取るか、柔軟性を取るかで、スタンダードReserved Instances、またはコンバーティブルReserved Instancesのどちらかを選ぶと良いでしょう。
AWS導入後のコスト可視化にはAWS Cost Explorerがおすすめ
AWS Cost Explorerは、AWSのコストを管理できるツールの1つです。
AWS Cost Explorerを使用すると、AWSの利用料金やリソースの使用状況に関する視覚的な分析やレポートを作成できます。そのため、AWSを導入後のコストの最適化に役立つでしょう。
また過去の利用データや予測データをもとに、コストの傾向やパターンを把握したい場合にも利用できます。具体的には、料金の詳細な内訳やカテゴリ別の利用量、タグの分析などの情報を提供し、コストの見える化の再現が可能です。
さらに、予算やアラートの設定もできます。予算超過や予期せぬコスト増加に早く気づくきっかけにもなるでしょう。AWS Cost Explorerは、AWSの利用コストを把握し効果的なコスト管理や予算管理を行いたい方におすすめです。
AWS初心者なら業務委託の選択肢も!見積もりを依頼するメリット
今までにAWSを使ったことがない方や、AWSの知識がない方は、見積もりを業務委託する選択肢もあります。ここでは、AWSの見積もりを外部に依頼するメリットを4つご紹介します。
AWSの知識が豊富な方に相談できる
AWSには、多種多様なサービスと複雑な料金体系があります。AWSの専門家は、これらの複雑な要素を理解しており、適切なサービスの選定やコスト最適化に関する専門的なアドバイスをしてくれるでしょう。
またAWSは、頻繁に新しい機能やサービスのアップデートを行います。最新の変更点や新サービスに精通しており、その知識をもとに効果的な見積もりを作成してくれます。
間違ったサービスの選定や不適切なリソースの割り当ては、余計なコスト増加やパフォーマンスの問題を引き起こす恐れがあります。専門家による適切な見積もりは、これらのリスクを軽減できるでしょう。
さらにAWSの業務委託サービスのなかには、AWSの利用方法に関するトレーニングやサポートを提供してもらえるケースがあります。ただ見積もりを依頼するだけではなく、組織内のAWSに関する知識とスキルの向上もサポートしてもらうことが可能です。
人材を育成する時間を省ける
業務委託サービスを利用することで、AWSに関する深い知識や経験をすぐに活用できます。自社で人材を育成するためには、時間とリソースが必要ですが、外部の専門家を利用すればその手間がなくなるでしょう。
AWSに関する知識が不足している状態で見積もりを行うと、誤った評価やコスト過剰などのリスクが生じる恐れがあります。専門家に見積もりを任せることで、このようなリスクを軽減できます。
またAWS関連の業務にあてる人材リソースを最小限に抑えると、会社の核となる業務に多くの人材をあてられるようになるでしょう。重要な業務の人的リソースを割く必要がないので、企業の業績に大きな影響を与えることを避けられます。
コストの最適化ができる
AWSの専門家は、AWSの料金体系や各種サービスの機能を深く理解しています。最新のコスト削減手法や効率的なリソース利用戦略に精通していることから、最適なコスト構造を提案できるでしょう。
過剰なリソース利用や無駄な支出を特定し、コスト削減に繋がる具体的な改善策を提案します。たとえば、使用していないインスタンスの停止や、よりコスト効率の良いサービスへの切り替えなどです。
AWSには複雑な料金体系が存在し、適切なプランやオプションの選択がコスト効率に大きく影響します。リザーブドインスタンス、スポットインスタンス、スケールアップやスケールダウン戦略など、最適な料金オプションを提案するでしょう。
また一時的なコスト削減だけでなく、長期的な視点からコスト効率を高める戦略を立案します。これには、スケーラビリティや将来の成長を考慮したリソース管理が含まれます。
運用監視まで任せられる
AWSの見積もりサービスを提供している会社のなかには、見積もり以外にAWSの運用監視まで一任できるところがあります。AWSの専門家は、最適な運用方法を理解しており、日々の管理を効果的に行えるでしょう。
専門家はリソースの消費を監視し、不要なコストが発生しないように管理します。これにより、リソースの無駄遣いを防ぎコスト効率を高めます。
システムやネットワークに問題が発生した際、外部の専門家は迅速に対応し、問題の解決を図ります。その結果、ダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。
また、AWS環境は常に新しいセキュリティ脅威に晒されています。外部の専門家は最新のセキュリティトレンドと対策を把握し、システムを保護します。
定期的にシステムをレビューし、パフォーマンスの最適化や必要に応じてシステムのアップグレードを提案します。法規制や業界基準に準拠した運用を保証するために、外部の専門家は適切なコンプライアンス対策を講じるので安心です。
AWSの見積もりを依頼する業務委託サービスの選び方
AWSの見積もりを依頼する際、自社に合った業務委託サービスを選ぶことが大切です。ここでは、AWSの見積もりを依頼するときの業務委託サービスの選び方を2つご紹介します。
AWSアカウントの運営実績が豊富であるか
豊富な運営実績があるサービスプロバイダーは、AWS環境の運用において信頼できると考えられます。実績のあるプロバイダーは、AWSのシステムを安定して運営する経験とノウハウを持っていることが多いです。
運営実績が多ければ、今までの実績から最適な見積もりを提案してもらえるでしょう。自社の業種と似ている企業のサポート実績があると、クライアントのニーズに合った最適な構成とコスト効率の良い解決策を提供してもらえる可能性が高いです。
また、さまざまなプロジェクトや環境での経験があるプロバイダーは、特定の問題や挑戦に対処する際に効果的なアプローチを持っています。複雑な問題や障害が発生した場合にも、迅速かつ適切に対応する能力があるでしょう。
実績があるか確認する際。さまざまな規模や業界のクライアントとの成功事例を確認すると良いでしょう。具体的なプロジェクトでの成功例や解決策が公開されていれば良いですが、もしない場合は既存のクライアントからの評価やレビューを確認しましょう。
AWSの資格所持者が在籍しているか
AWSの資格は、その所持者がAWSのサービスとベストプラクティスに関して深い知識と理解を持っていることを証明します。具体的には、AWSの環境設定、セキュリティ、コスト管理など、幅広い分野で高い専門性を持っているでしょう。
AWSの資格は定期的な更新が必要である場合があるため、資格所持者は最新のAWSの機能やトレンドに常に精通しているといえます。特定のプロジェクトやニーズに最適な資格を持つ専門家を選択することで、よりターゲットに合ったサービスを提供してもらえるでしょう。
まとめ
AWSは従量課金制で月額料金が変動しやすいですが、見積もりツールの活用で月額料金を事前に把握できます。
どれくらいの月額料金がかかるのか知れるだけではなく、余分な料金がかかっていないか契約内容を見直す際やコストを削減したい場合にも役立ちます。
見積もり料金の正確度を重視したい場合はAWS Pricing Calculator、操作が簡単なツールが良い場合はざっくりAWSがおすすめです。
ただし、ざっくりAWSは公式見積もりツールではないので注意しましょう。
これからAWSの利用を検討している方やこの先かかるAWSの料金を把握したい方は、ぜひ見積もりツールや請求代行サービスを活用してみてください。